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運営ノウハウ
1.はじめに
SNSオーナーになった皆さん、いよいよあなたのSNSを公開させる時が来ましたね。SNSという装置が出来上がったか
らといって、すぐその日のうちにオープンできるわけではありません。私は仕事柄、多くのSNSの技術導入を支援してき
ました。お客様の多くは、納品した日にオープンの日を決め込んでいる場合があります。しかし、焦ってはいけません。
SNSの装置が出来上がった今こそが、運営者としてもっとも気を引き締めなければならない時期なのです。SNSの初期設定
にも数多くの項目があります。一見簡単そうに見える入力欄ですが、運営方針や運営組織体制などが決まっていないと、
その入力欄を満たすことは容易いことではありません。この章では、様々なSNSの立ち上げの現場に立ち会ってきた経験
と、地域SNSと呼ばれる西千葉コミュニケーションサイト「あみっぴぃ」の運営者としての経験から、オープンまでの準
備、オープンしてからの盛り上げ方、そして、長続きの秘訣について触れていきたいと思います。これからSNSを立ち上
げる方には必見です。そして、「あみっぴぃ」の事例も最後にご紹介しますので、ちょっと風変わりな運営方針から、自
分なりのSNS運営を組み上げていって下さい。
2.SNSをオープンさせるまでの道のり
2-1.オープンまでの道のりをイメージする
SNSをスタートさせるにあたって、どんなプロセスを想像しているでしょうか。長続きするように運営して行くには
、思いつきではなく、ある程度長いスパンでイメージを作っておく必要があります。この章では、出だしの最初の一歩は
もちろんのこと、基本的な運営に関するエッセンスを紹介していきます。
「SNSを立ち上げよう」。そう思い立
った日から何をしていけばよいか、全体像はこんな感じです。必ずしも順番通りに進める必要はありませんが、必ず決め
なくてはいけない項目です。まず、立ち上げようと思い立ったらこの5つのステップをイメージしてください。この4つ
が決まっていたらとりあえずはオープンできます。
ステップ1:おおまかな運営方針を決める(目的・規模・運営費)
SNSを運営するときにもっとも重要なのが、運営の目的をしっかりと持っておくことです。SNSをオープンするとたち
どころに盛り上がるというイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、全くそんなことはありません。どちらか
というと、普通のウェブサイトを立ち上げるよりも、ユーザーを獲得するのに時間と労力が必要だといっても過言ではあ
りません。良く陥りがちなのが、SNSを盛り上げることが目的に成ってしまう問題です。恋に恋してしまうのと同じ感じ
です。運営を始めるとついSNS自体を盛り上げることに夢中になってしまう場合がありますが、本来の目的を忘れて、ア
クセス数や会員数を増やすことに専念するだけでは結局のところ活性化にはつながりません。あくまで道具であるという
ことを絶対に忘れないようにしてください。そして、目的を考えることは、これから立ち上げるSNSが「何のための道具
」なのかをしっかりと考える事なのです。運営を続けていく中で、この目的だけは絶対にぶれないようにしてください。
目的が決まったら、次に考えるのは想定する規模です。無限に増えていくと思っていては、オープンしてから
がっかりするだけです。すでに、ご自分がユーザー情報を持っている場合、全くの新規でこれから宣伝をしていく場合、
いろいろな場合があります。オープンと同時に登録してくれるユーザー数はどれくらいか、1年後に何人くらいの規模に
なっているのか、5年後はどうか、そして10年後のイメージは…、と何となくイメージしておいてください。このイメー
ジがないと、活性化のために打った手が逆効果だったということにもなりかねません。
そして、もう一つ大事
なことが運営費をどうやって賄うかということです。そして、どれくらい最初に予算があるかも重要な要素でしょう。そ
れによって、次の項目をどうするかも決まってきます。ほとんど予算をかけないでしばらく続けていく方法もありますが
、数百人以上のSNSを運営する予定であれば、ある程度の予算は見込んだ方がよいでしょう。運営にかける費用はほとん
ど持ち出しで賄うのか、それともある時点から収入が見込めるビジネスモデルを考えているのか、いろんな要素を考えて
、運営費についても考えておく必要があります。
まずは、簡単に紙に書いてみるのも良いですし、頭の中でイ
メージするだけでもかまいません。この3つの項目は運営するにあたって最後まで重要な要素となるので、いろんな機会
に思い起こす必要があるくらい重要な事項です。
ステップ2:技術的なことをどうするか決める
本書をお読みの方は技術は自分で何とかしたいという方が多いでしょうか。それでも、技術的なことは不安という方
も多いはずです。ここでは、技術に関してどういう方針にするかをおおざっぱにイメージしておいてください。技術とい
ってもいくつか項目があります。自分で作業をするのか、運営組織で何とかできるのか、外注する必要があるのか運営方
針に沿って決めておく必要があります。
①サーバーをどうするか
②インストールはどうするか
③カスタマイズは必要か
④デザインはどうするか
詳細については後述しますが、立
ち上げの段階でやっつけでやってしまうと、しばらく運営するうちに自分ではどうにもできなくなって、途方に暮れてし
まうケースも良く目にしますので、まずは、長期的な視点でイメージしておくことは大切です。
ステップ3:運営組織体制について大まかに決める
簡単に言ってしまうと、事務局体制です。まずは、運営主体をどこにするのかが一番大きな問題といえるでしょう。
新しく会社やNPO法人を立ち上げるのか、個人事業としてまずは始めてみるのか。自治体で運営するのかいろんな運営形
態が考えられます。枠組みが決まったら今度はどう組織を作っておくかをイメージしてください。お客様対応、技術担当
、デザイン担当、更新担当、調査分析担当…と、運営方針によってどういうセクションが必要で何人体制で運営するのか
をイメージしておく必要があります。
ステップ4:SNSの初期設定項目を満たす
意外と忘れがちなのがこの項目です。OpenPNEの管理画面を開いてみてください。立ち上げる前に設定する必要があ
る項目が結構たくさんあります。慣れてしまえばなんてことはないのですが、結構数が多いので初めての方はこの項目が
何を意味するのか最初はとまどうはずです。主に設定をしなくてはいけないことは、管理画面の「デザイン」「SNS設定
」「お知らせ・規約設定」の部分となります。その中でも「SNS設定」の部分はかなりの量になりますので、後で詳しく
説明します。これを決めていないと、周囲にオープンの日程を大々的に宣伝してた後で、オープンの前日に何とかする訳
にもいかない項目が多くあります。運営メンバーとよく話し合ってひとつずつ決めていく様にしてください。運営仲間が
何人かいる場合は2週間くらい見ておいた方がよいと思います。運営しながら変える事もできますが、ユーザーのために
もこの部分は最初からしっかりと決めておきましょう。
ステップ5:オープンまでのスケジュールを作る
まずは、オープン日を決めて下さい。その後、運営者だけでプレ公開期間をつくっておくのがおすすめです。設定項
目を満たし、運営方針などの文言をSNSで公開していくと、いろいろな部分で整合性のミスマッチや、将来の運営方針に
ついての疑問が山のように出てきます。そのひとつひとつをしっかりと運営仲間と共有しておかないと、オープンしてか
らのユーザー問い合わせになかなか対応できないということにもなりかねません。人数の規模にもよりますが、一人で運
営する場合にも方針を決めるのに結構時間がかかる事がありますので、オープン日を宣伝する場合には十分に注意して下
さい。ここで理解をしておいてもらいたいことは、SNSが完成してからオープンまでは結構時間をとっておいた方が良い
ということです。初めて運営するという方は1ヶ月くらいは観ておくと良いと思います。
ここまでで
、無理そうだと思った方もいらっしゃると思います。運営をはじめてみると大した問題ではないこともあるですが、運営
をはじめる前はなかなかイメージできないことなので不安に思うこともあるかもしれません。どうしても心配な方は、実
際に運営している方に、どうしているのか聞いてみるのが一番良い方法です。身近に、聞ける相手がいない方は、SNS運
営の目的にもよりますが、SNS運営実績のある会社にコンサルティングを依頼するのもシンプルな方法だと思います。こ
こまでは、何とかイメージできている方は、それぞれについてもう少し具体的に説明しますので、参考にしてください。
2.2目的をはっきりさせよう
誰が何のために運営するのかをしっかりと考えてください。繰り返しになりますが、SNSを活性化するためだけに専
念することになっては本末転倒です。SNSを使って何をしたいのか、ここで改めて考え直してみてください。「目的」と
考えると少し難しいかもしれないので、「何を実現したいのか」と考えてみるのがよいかもしれません。 運営すること
のメリットは何か、利用者のメリットは何かを運営者がはっきりと認識していることはとても大事なことです。
2.3運営主体を決めよう
SNSというサイトは、その特性から、ユーザーの個人的な情報を入力する場合が多くあります。誰がその情報を管理
しているのか、そして、どのようなポリシーでそれが扱われているのか、気にするユーザーは少なくありません。特に、
個人情報を扱う場合や、広告主を募集する場合などは特にしっかりと考えた方がよいかもしれません。といっても、大半
の場合は、株式会社が運営主体となる場合が多いと思います。その場合は特に問題はなく、SNSのフッダーの「運営会社
」という項目にしっかり明記するようにしてください。簡単な会社概要や、会社のウェブサイトへのURLを記載しておく
と信頼度も上がると思います。株式会社以外の運営主体で運営しているケースも多いようです。個人事業主だったり、
NPO法人、地方自治体、学校法人など様々な形態があります。個人事業として運営するのか株式会社で運営するのかを悩
む方も多いと思います。一概にどちらがいいとは言い切れませんが、信頼の面からいうと株式会社での運営をおすすめし
ます。ただ、サイトの特性上この限りでない場合もありますので、目的にあった運営主体を決めるようにしましょう。地
域SNSの場合、民間の株式会社にするのか、NPO法人を立ち上げるのか、それとも地方自治体で運営するのか立ち上げ時に
はいろいろなことが問題となることが多いようです。この場合もやはり、目先の予算だけでなく、目的を達成するために
最大限の効果を発揮する手段なのかをじっくりと考えて見てください。
2.4運営組織体制を作っておく
運営主体が決まったら運営組織体制を決めておいて下さい。一人で全部賄うのか、運営者とデザイナーとプログ
ラマーを分けるのか、ライターに日記やコミュニティをある程度書き込んでもらうのか、組織内で技術は賄わず外注にす
るのか、などなどいろいろな要素が考えられますので、誰が何を担当するのかをしっかりと決めておくことを忘れないで
下さい。運営を続けて行くにつれて人が変わっても対応できるような体制にしておくことが肝心です。立ち上げた当初は
ユーザーからのお問い合わせに対応する人の人間性もSNSの活性化に少なからず影響することもあります。
2.5規模を想定しておく
オープンしてから1年くらいはどれくらいの規模でやっていくのか、そして、5年たったときにどれくらいの規模にな
っているのか、最初の時点でしっかりとイメージを作っておきましょう。ここで大事なのは欲張らないことです。自分が
運営している姿をしっかりとイメージしてみてください。作ったからといってどんどん会員が増えていくわけではありま
せん。どういう広報をして会員が増えていくのか、増えたときの会員一人一人はどんな気持ちでSNSに参加しているのか
、いろんなことをイメージしておく大事なときです。適正な運営のためでもありますし、広告収入などの収益を考えてい
る場合はビジネスモデルを作っていく上でも非常に大事なことといえるでしょう。想定している規模によってサーバーを
どうするかも自ずと決まってくるでしょう。
2.6どんな人に使ってもらうのか
立ち上げたからといってどんどん会員が集まってくる事はありません。このことは、しっかりと認識しておいてくだ
さい。そこで、どんな人に使ってもらうために、これからSNSを立ち上げるのかを決めて下さい。地域SNSの様に広く門戸
をひらいていろんな人に使ってもらいたい場合、趣味や個性にテーマを絞って使ってもらいたい場合、会社内で社員のコ
ミュニケーションのために必要な場合、大学やサークル、研究室単位で限られたメンバーで使いたい場合、これいがいに
も様々な使われ方があります。運営を始めてから無意味に会員数だけを追い求めてしまわないためにも、最初の段階でぶ
れないようにしておいて下さい。
2.7ルールを決めておく
運営するSNSのルールをある程度決めておくことは、のちのちになってからも運営にとってとても有益なことといえ
ます。例えば、新規入会には招待が必要なのか、誰でも入会できるのか、顔写真は義務にするのか、それともどんな画像
でも良いのか、もしくは画像は全く使わなくていいのか。本名に関してはどうするのか。ニックネームは使うのか。など
などいろんなルールを決めておく必要があります。いざオープンしてみると自分がイメージしていなかったユーザーが突
然現れることがあります。このときに、ルールがきちんと詠われていないと、対応することができません。そう考えると
、ルールを守ってくれなかった人が現れた場合、どのようなポリシーで対応するのかも決めておくと良いと思います。考
えられる対応方法としては、守ってくれない人がいても少しくらいは見て見ぬふりをする。ルールはルールだから、守っ
てもらえない場合は、確実に指摘して、それでも改善が見られない場合は、会員資格を剥奪する、など、対応方法はサイ
トの目的や、規模、ターゲットによっていろいろな定め方があると思います。最初の段階で想定しているのと想定してい
ないのとでは、円滑に大きな影響を与えるということを覚えておいて下さい。
ここで、あみっぴぃのルールを
紹介しておきます。ルールといってもがんじがらめに細かく記載するよりは、ユーザーが一度読んで「なるほどね」とい
うくらいシンプルで伝わりやすいものにしておくことがポイントです。此処で紹介しているあみっぴぃのルールは、ログ
イン前もログイン後もフッダー部分に「あみっぴぃについて」としてリンクを作ってあります。
<あみっぴぃのルール>
■新規登録について
西千葉でのコミュニケーション、西千葉とのコミュニ
ケーションを図りたい方なら西千葉にお住まいでなくても参加できます。 安心感のある健全なコミュニケーションを
楽しんでもらいたいという願いから、招待なしの新規登録は行っていません。「あみっぴぃ」に参加しているあなたの親
しいお友達から招待してもらって下さい。お友達から招待メールが届いたら、本文中のリンクをクリックすることで登録
できます。
■ルールを知っておいて下さい
1.ニックネームを自由に決めて下さい
日頃
、呼ばれている愛称などお好きに決めて頂いてかまいません。 千葉県で利用できる地域通貨ピーナッツをお使いの方は
、ピーナッツクラブのニックネームを使うことよいでしょう。
2.「本名」の欄には必ずご自分の本名を
記載しましょう
「あみっぴぃ」は西千葉コミュニケーションサイトとして、顔の見える関係を築きたい
と考えています。 インターネット上だけで完結せず、リアルのコミュニケーションを活発化させるひとつのツールと
してお使い下さい。きちんと本名を使って頂くことで、健全で安心した利用ができるだけでなく、サイト内で友達から見
つけてもらいやすくなります。本名以外は、他人に知られて不利益になる情報を掲載しないよう注意して下さい。
※正式名称であっても法人や屋号での登録は行わないで下さい。「コミュニティ」への登録をおすすめします。
3.写真について
顔の見える関係を築くためにも、可能であればご自分の顔写真をおすす
めしています。抵抗があったり、不利益を被りそうな場合などは無理に顔写真を使う必要はありません。 その場合はお
好きな画像を登録して下さい。
※一般の方が不快に思う画像の利用はご遠慮下さい。
4.楽しくお
使い頂くために
「あみっぴぃ」は世代を超えたコミュニケーションを活発化させいと考えています。 イン
ターネット上だけでしか使われない用語を使うのは控えましょう。 インターネット上だけで完結させないためにも、 一
度も会ったことがなく面識のない人を「マイアミーゴ」に登録しないようにしましょう。 ※当然ですが、不特定多数の
方へのメール送信(「メッセージ送信」)は禁止しています。
--
パソコンを使って、パソコン上だ
けで完結してしまわない関係作りができたら、素敵ですよね。
まちの「こんにちは」が広がりますように。
※本文中の「リアル」という表現は「インターネット上ではない実在する世界」を意味して使っています。
2.8運営費をどうやってまかなうのか
運営者にとって一番気になるのが運営費の部分かもしれません。どうやって維持費用を賄っていくのか、人数が
増えたらどれぐらいの負担になるのか、オープンするまでは気になることがたくさんあると思います。しかし、これも誰
がどのように負担するのか、あらかじめ決めておく必要があるので、あえて見出しにしておきました。運営費だけでなく
収益を上げる必要がある場合もあると思いますので、詳しくは、ビジネスモデルの部分でお話ししていきたいと思います
。
2.9サーバーはどうするか
SNSを運用するサーバーを決めましょう。自作で運用するのか、レンタルサーバーを借りるのか、外注してサーバ
ー構築してからはじめるのかいろいろな方法があります。最近では、ASPといって、サーバーを借りることなく月額費用
だけでSNSを維持できるようなサービスを提供している会社も数多くあります。それぞれのSNSの特徴に会わせて最適なプ
ランを選ぶのがよいと思います。選ぶ際に、最初の1年間で急成長するのか、それともゆっくり成長するかでもプランが
異なってくるはずです。最初から大規模を想定して導入しても、当面は会員数が少ないのであれば、初期の頃のサーバー
維持費用が無駄になってしまいます。しかし、最初あまりにも予算を削減したあまりに、人数の増加にサーバーが耐えら
れなくなってしまう場合もあります。そうなると、データベースを別サーバーに移したりと、金額的なコストだけでなく
、以降のために一旦サービスを停止したりと、あらゆるリスクを乗り越えなくてはならなくなります。規模や目的に会わ
せて、最適なサーバーを見つけて下さい。
2.10インストールは誰がするのか
サーバーが決まったら、今度はSNSを構築します。運営組織体制のところで、担当者を決めてある場合はその通りに
事を進めるだけで大丈夫です。もし、ASPという契約をしていればサーバーについてはほとんど知識がなくてもSNSをオー
プンさせることができます。これからSNSを運営する方に一番おすすめしたいのが、技術に詳しい人や会社に任せてしま
うことです。そして、運営者になる方は、運営方針やユーザーへのケアに全力を注ぐことが、活発なSNSを作り上げる一
番の近道なのです。
2.11デザインどうすればいいの?
OpenPNEをインストールすると、それだけでSNS機能は動き出します。ただし、ボタンのデザインやサイト名を表
示させたりしなくてはなりません。標準のままでは、「OpenPNE」と表示されたままです。せっかくSNSを立ち上げるので
すから、独自のロゴなどを使いたいと思うことでしょう。デザインを変えるには、プログラムやサーバーに特殊な知識は
必要ありません。管理画面から簡単に使いたい画像をアップすることができるのです。デザイナーに画像を作ってもらっ
て、写真をアップするような手順で管理画面から登録します。それだけで、オリジナルのデザインのSNSを完成させるこ
とができるのです。もし、ボタンの大きさを変えたり、位置を変えたりしたい場合は、技術に詳しいところに頼むことで
、実現させることも可能です。ユーザーにとっては使い心地にもっとも影響する部分ですので、オープンする前にある程
度完成させておくべきでしょう。後々の変更はユーザーをとまどわせることにもなるので慎重に行うべきです。後述しま
すが、デザインのリニューアルもアクセス数アップのひとつの方法として活用することもできたりします。
2.12カスタマイズの必要はあるか
最初に立ち上げるときに、壮大な機能追加を考える人は少なくありません。実現したいことのために、イメージ
をしっかりとお持ちなのでしょう。もちろん、追加機能を作って目的を達成しようとすることはとても大切なことです。
ただ、ここで、一歩立ち止まって考えてみて下さい。技術以外の方法で目的を達成する方法はないのでしょうか。カスタ
マイズを施せば施すほどアップグレードには手間と費用がかかります。また、初期のカスタマイズにも費用がかかってし
まう場合もあるでしょう。できるだけカスタマイズを少なくして、実現する方法を考えてみて下さい。最初は最小限から
スタートして、会員数が増えてきたら拡張しても遅くない場合が少なくありません。
あみっぴぃの場合は、
高齢者の方でも使いやすいインターフェイスにするためにカスタマイズをしています。また、SNSを広めやすくするため
に詳しい人が教えやすくする工夫もしています。この辺に関しては、自称で詳しく説明します。
2.13SNSの設定をする
さて、いよいよ、SNSを設定して行きましょう。管理画面を見るといろいろな項目が目に入ってきます。ここでは、
オープンするまでには絶対に決めておかなくてはいけない部分に絞って説明していきます。逆に言うとほかの部分はオー
プンしてからでも何とかなる部分ですので、ゆっくり考えても大丈夫だと思います。もちろん最初に設定しておくに超し
たことはありませんが。この内容は、コンサルティングの際にも中心的にアドバイスさせていただいている内容です。意
外と時間がかかる事もありますので、早めに運営仲間と相談したりしてイメージをふくらませておきましょう。
2.13.1SNS名
当たり前のことですが、なかなか決まらないこともあります。人の名前を考えるように素敵な
名前を考えておいて下さい。ユーザーに親しまれる名前がよいと思います。
2.13.2キャッチコピー
例えば、あみっぴぃだったら、「西千葉コミュニケーションサイト」。SNS名の前につけておくとどんなSNSなのかイメー
ジを伝えるのに役立ちます。管理画面には、この項目はありませんが、ページタイトルなどにタイトルと併せて入れてお
くと検索エンジンなどにも見つけてもらいやすくなります。
2.13.3フレンド名
mixiでいうところの「マイミク」のことです。デフォルトでは、「マイフレンド」となっています。一時は独自のフレ
ンド名をつけるサイトが目立ちましたが、最近は「マイフレンド」としているところも増えてきました。これもSNSメイ
ト同様、ユーザーに語り継がれる大事な言葉ですので、SNSのブランドイメージを担っているともいえるでしょう。あみ
っぴぃの場合は、「マイアミーゴ」です。
2.13.4デイリーニュース
デフォルトでは自動で配信されるように設定されています。自動的に前日の盛り上がったコミュニティやアクセスランキ
ングなどを配信してくれる仕組みです。ここに自分なりの内容も書き足すことができますが、画期的な計画がない限りは
安易に配信しないことをおすすめしています。ユーザー自身が配信を止める設定もできますが、初めてのユーザーほど、
「登録したらメールが来るようになった」と登録自体を取り消したくなってしまうおそれもあります。ここは、一旦オフ
にしてオープンするのがよいでしょう。とあるSNSでは、このデイリーニュースに広告を載せて配信しているみたいです
。広告を掲載してデイリーニュースを配信した直後は、退会者も増えたそうですが、逆に言うとやめなかったユーザーは
読んでくれている可能性もあるということです。しっかりと計画をたてて配信できれば効果を発揮することもできるメー
ル配信システムといえるでしょう。
2.13.5プロフィール項目設定
ユーザーのプロフィールとして設ける項目を設定することができます。SNSの特性に合わせた項目を作ってみるのもオリ
ジナリティが出て良いと思います。この項目は、「プロフィール確認」ボタンから確認することができる内容です。 あ
みっぴぃの場合には、地域SNSということもあって「あなたにとって西千葉とは」という項目を設定しています。皆思い
思いのイメージを入力しているので、友人同士で意外な一面を発見するのにも役立っています。また、パソコン教室を営
んでいることもあり、「第何期の受講生か」を入力する欄も設けてあります。受講コースの卒業生同士の話題作りにもな
っているようです。 プロフィール項目には、必須入力と任意入力の2種類の属性を指定することができます。これも最初
の段階で、どの項目を必須事項にするのかを決めておきましょう。必須項目が多すぎると会員登録をあきらめてしまった
り、プロフィールを適当に入れてしまうユーザーを増やすことになります。逆に少なすぎるとプロフィールをあまり入力
してもらえず、プロフィール欄が寂しくなってしまうことも心配です。前述の「どんな人に使ってもらいたいのか」をし
っかりと意識して設計するようにすると良いでしょう。 ここで、忘れがちなのが、プロフィール項目を入力するタイミ
ングを選ぶことができるようになっているということです。通常、プロフィール項目は、ユーザー登録段階で入力を促さ
れます。しかし、量が多くなると会員登録の途中で面倒な気持ちになって登録をやめてしまう人も現れかねません。そこ
で、登録段階の入力は必要最小限にしておいて、次にプロフィール変更をしたときに、項目として登場させることができ
るのです。このあたりを旨い具合に設計するとより充実したSNSになると思います。
2.13.6コミュニティカテゴリ設定
コミュニティを作る際に指定するカテゴリを決めておく必要があります。最初の段階で意気込んでたくさんのカテゴリを
むやみに設定してしまう運営者も少なくありません。しかし、急激に規模が大きくならないと予想される場合は、このカ
テゴリ数は必要最小限にとどめておくべきでしょう。後から変更するには、コミュニティの管理者に連絡したりと運営面
で大きな手間になってしまうこともあります。逆に言うと、カテゴリ数を少なくしておいて、しばらくたってから増えた
コミュニティを見て最適に分類しなおすのが一番良いかもしれません。もっと別の観点では、mixiと全く同じカテゴリに
する運営者も少なくないようです。ただ、mixiとは少し特性の違うSNSを想定する方も多いと思いますので、一概には何
とも言えないところです。
2.13.7初期コミュニティ
ユーザーが新規登録したときに最初から入っているコミュニティを指定しておくことができます。最初に登録したばかり
の時はマイフレンドが一人しかいない状態ですから、すぐに見飽きてしまいます。それを防ぐためにも、公式のコミュニ
ティには自動的に参加する仕組みにしておけば、初めてアクセスしたときでもいろんなコンテンツを見て回ることができ
るので、愛着を持ってもらえる可能性は高くなります。初期コミュニティをどうやって充実するかは、オープン前にしっ
かり考えておいて、ある程度のコンテンツをためておいた上でオープンするとより効果的です。
2.13.8メール文言
まずは署名を書き換えましょう。できるだけシンプルにしておくことをおすすめします。デフォルトのレイアウトより少
し、変えてみるのもオリジナリティが出て良いと思います。連絡先や担当者、運営組織について最小限の項目を明記する
ようにしておきましょう。デフォルトの文言は、結構シンプルになっているので、これから立ち上げるSNSをどんな人が
使うかを想像してターゲットにあった文言にすると良いかもしれません。パソコンに詳しい人が多いのか、それともパソ
コンに詳しくない人が多いのかでも違ってきます。得意な人が多い場合はパソコン用語をシンプルに使った方が文字数も
少なく好まれます。逆に、詳しくない人が多い場合は、このメールがなぜ送られてきたのかをしっかり説明しないととて
も不安がる事があったります。特に、コミュニティ書き込みを自動送信する設定した場合などに、どうして送信されたか
がわかりにくいとサイト自体に不信感を持ってしまうユーザーも多いようなので、どこまでユーザーを想像できるかに文
言はかかっていると思います。オープンしてからだとなかなか意識できない部分なのでオープン前にどんなパターンのメ
ールがあるのかしっかりと分析をして、検討しておくと後々の面倒が少なくなります。
2.13.9ID=1ユーザー
SNSの最初のユーザーです。特殊な権限を持っているので、このユーザーを管理者が利用するかしないかによっても判
断しておく必要があります。まず、このユーザーを人にするのか事務局にするのかを決めましょう。もし、事務局として
存在させるならできるだけ使わないようにすることをおすすめします。SNSはその特性上、上限関係がなくヨコのつなが
りを実現するのに非常に役立つツールです。実際の人間でないユーザー(事務局等)からの発信は威圧感や無機質な感じ
が伝わるのであまり好まれない場合が多いようです。SNS上で発信する場合は、できるだけ、担当者が一人の人間として
振る舞うのがもっとも最適と言えるでしょう。ID=1のユーザーを使わないIDにした場合は、ID=1から運営者を招待して、
ID=2からを実際に使うようにするのがよいと思います。ID=1のユーザープロフィールには、「このユーザーへのマイフレ
ンド申請は受け付けません」という旨のメッセージを入れておくと良いと思います。
2.13.10お知らせ
ログイン後の画面の一番目立つところに表示されるInformation欄を作っておきましょう。一見文字だけになりがちです
が、HTMLが使えるので、デザインを施したりFlashを入れてみたりするのも一つの手だとお思います。プロフィール変更
を促したり、日記を書いてもらったりする誘導に使うととても効果的です。盛り上げたいコミュニティのトピックにリン
クを張ったり、人数が少ない間は、最新日記が一覧できるページにリンクを張ったりして、いろんなページを見てもらう
習慣を作る事もできるので、最初のユーザーにがっかりさせないためにも作り込んでおくことをお勧めします。
2.14立ち上げまでのスケジュールづくり
ここまで読み進めてみて、意外と簡単だと感じたでしょうか。それとも、意外と大変なんだなあという印象で
しょうか。いずれの場合でも、ここまでの準備段階でお伝えしたかったのは、オープン前にこれだけのことは最低限しっ
かりと考えなくてはいけないということを分かった上で計画を立てていただきたいということです。見切り発車をして途
中で挫折してしまったり、運営方針がぶれたせいで、運営組織内だけでなくユーザーにまで反感をかってしまうことにな
り一時閉鎖に追い込まれたりすることも少なくありません。しっかりと、思いを巡らせ、イメージをしてからオープンま
でこぎ着けて下さい。いきなり、公式オープンを設定してしまうより、仲間内でプレ運用期間を作ってみて、問題点や文
言について検証する期間を設けることも大切です。プレ運用期間は、期限を区切って何度か設定することができるとオー
プンまでに精度の高い設計での運営体制を作るのに役立ちます。そして、プレ期間に掲示板に書き込んでコンテンツも増
やしておくことができるのです。とにかく、いろいろな可能性を考えてみることが大切です。
これだけのこと
が分かっていれば、スケジュール帳に落とし込むのもそんなに大変なことではないと思います。スタッフが大勢いる場合
は、インストールや運営方針の決定などを分業することもできます。ご自身の運営する母体に会わせたスピードで設計で
きると、忙しい中の構築であっても必ずSNSを立ち上げることができるはずです。素敵なSNSをオープンさせて様々な人々
の豊かな生活をあなたの手で生み出してみて下さい。次の章からは、実際にオープンしてから意識しておかなくてはいけ
ないことを紹介しておきます。余裕があれば、オープンよりも前に一通り目を通しておくことをおすすめします。
3.立ち上げてからの管理者の振るまい
これであなたもいよいよSNSのオーナーとなりました。SNSをオープンさせたからといって安心してはいけません。運
営者として様々な仕事が待っています。これからが、SNS運営の醍醐味とも言えるでしょう。
3.1「運営事務局」ではなく「運営事務局の○○」
運営者とユーザーはできるだけ顔の見える関係に近い状態にしておくのが多くの場合、健全な運営と活性化に役立ち
ます。運営者からのメールやメッセージをユーザーに送る際、つい、「運営事務局からのお知らせです」と表現してしま
うことがあるかもしれません。何でもないことに見えますが、ユーザーからは無意識のうちに人格のないところからのメ
ールが送られてきたと感じてしまいます。ところが、「運営事務局の虎岩と申します。」と始まっただけで、「どんな人
なんだろう」と親近感が無意識のうちに芽生えます。そこまでは思えなくとも、何度かやりとりするうちに、お世話にな
っているんだといった気持ちにはなってもらえるでしょう。こういう一つ一つの関係作りがゆくゆくは大きな成果をもた
らしてくれることでしょう。
3.2操作の質問は画像をつけるのも手
操作などの質問をメールやメッセージで受け取った場合、ついつい活字情報だけで説明してしまいがちです。そうす
ると、説明が長くなり書いている自分自身ですら頭が混乱してしまいそうになります。こういうときは、頭を切り換えて
スクリーンショットを1枚とってみてください。意外にもあっさり説明がシンプルになる場合が多いです。活字情報だけ
で伝えようとせずビジュアルでの伝達も頭の片隅に入れておくと役に立ちます。
3.3返信テンプレートは極力控える
パスワードなどの良くあるお問い合わせなど、ついつい手間を省くためにテンプレートを作って(あるいは、コピー
&ペースト)で返事をしてしまいがちです。ところが、ユーザーからのメールは毎回違う人から頂くので、趣旨は同じで
も文面は違うはずです。人数が多くないうちは、一人一人の文章に会わせて返信分を一つ一つ作ってみましょう。意外と
人間性の部分が伝わりハートフルなコミュニケーションに近づけることができます。そして、本題のほかにもう一言添え
るとより効果的です。タイピングが苦手な方は別ですが、苦にならない程度に続けてみてください。運営者自身の気分も
無機質な運営業務に没頭している気分にならず、すがすがしく業務をこなすことができると思います。
3.4どんなメールでも必ず返信する
お問い合わせに答えてあげると、うれしいことに一部のユーザーからは、「無事に解決した」などといった感謝のお
返事を頂く場合があります。こういったメールも、心で「よかっった」と思うだけでなく、ちゃんと文章にしてもう一度
返信するようにしましょう。「解決して良かったですね」と共感したことを伝えてあげるだけで、受け取ったユーザーは
運営者との一体感を感じることができるのです。
3.5活性化の最初の一歩は書き込みからです
はじめたばかりのSNSは盛り上がっていると感じられるようになるにはなかなか時間がかかるものです。活性化へ
の第一歩は運営者であるあなた自身の書き込みからスタートします。コミュニティで話題を提案したり、日記を探して必
ずコメントをつけていくといった地道な作業をただひたすら続けてください。きっとどこかで有益な成果につながってい
きます。あなただけでなく、運営仲間も一緒に同じ事ができるとさらに効果的です。
3.6フレンドリンクをつないであげる
登録したばかりのユーザーは、フレンドリンクが少ないと、最新情報に表示されるコンテンツが少ないため、なか
なかリピートしてアクセスする機会が増えません。良くない場合には、もうアクセスすることすらあきらめてしまうかも
しれません。そこで、「フレンドリンクを増やそう」コミュニティを作ってみたり、積極的なフレンド紹介メッセージを
送ることで、ユーザー同士の手をつなぐきっかけをどんどん提供してあげてください。運営者であるあなたからメッセー
ジが届くこと自体も何度もサイトを訪れる原動力になるはずです。
4.運営経費をまかなえる収入源をつくる
実際にSNSを運営するにあたって、無視できないのが運営経費です。いったい、どんなものが運営経費として生じて
くるのでしょうか?個人で運営するにしても、組織で運営するにしても規模に応じた予算を確保して、その予算を支払え
るだけの収入を得られるように設計していきましょう。もちろん、経費を払えるくらいの収入で満足するのではなく、で
きるだけ多くの収入が得られることが長続きの秘訣でもあります。
4-1.運営経費として考えておくべき事
規模にもよりますが、運営経費として生じるであろう項目を紹介しておきます。まず、個人的に運営する場合でも必
ず必要になるのが、サーバーです。初期設定の費用や月額に発生する費用を見込んでおきましょう。自宅でサーバーを立
ち上げるなら、電気代程度で賄うことはできます。もっと安定的に提供したい場合は、利用するサーバーの規模を費用と
のバランスで考えておきましょう。 規模が大きくなるにつれて、事務局担当者の人件費、パンフレットなどの印刷
費、ウェブ上で広告するための宣伝費、広告を獲得するための営業費、デザイナーの人件費、プログラマーの人件費など
を見込んでおくのは運営の助けとなるはずです。
4-2.広告バナーを獲得するための広告媒体資料を作っておく
SNSの収入源としてもっともイメージしやすいのが、バナー広告からの収入源だと思います。特に、テーマを特化し
たSNSなどであれば、広告ターゲットが特定できるため広告主も広告費を払いやすい環境を作ることができるはずです。
個人で立ち上げて人気が出てくれば口コミで広告主から問い合わせが来ることも考えられます。自分で営業して広告を獲
得していく方法もあるでしょう。いずれの場合でも、スポンサーである広告主に運営しているSNSがどのような広告媒体
であるかを知ってもらえないことには広告費を計上してもらうのに時間がかかってしまいます。広告媒体資料というもの
を作っておくと、問い合わせがあったときや営業に行くときに非常に役立ちます。mixiや他のSNSでも問い合わせれば広
告媒体資料を送ってくれますので、まずは参考にしてみて下さい。大小を問わずポータルサイトでも広告を募集している
場合は必ず送ってもらえると思います。主には、会員数だったり、PVと呼ばれるアクセス数の推移、性別や年齢の構成、
その他、地域や嗜好の特性などが分かるとよいでしょう。できるだけ広告主の広告効果が想像できるように作っておきま
しょう。広告主へのツテがない場合は少し時間がかかるかもしれませんが、サイトが活性化したときにあわてないように
するためにも早めに用意できると、チャンスを的確に捉えることができるはずです。
4-3.何でも良いので広告バナーをいくつか表示させておきましょう
バナー表示枠に「広告主募集」と書いてあるだけでは、積極的に広告主を募集しているSNSとは絶対に思ってもらえ
ません。そこに、広告枠があるんだということを、SNSに訪れた人にできるだけ伝える必要があります。そのためにも、
個別の案件がなかったとしても何らかの広告を表示させておきましょう。できれば、大手のバナー広告などを入れてあげ
るのが良いです。一番手っ取り早い方法は、アフィリエイト広告を載せてしまうことです。会員数10,000人くらいはいな
いと収入源として見込むには、ほど遠い金額かもしれませんが、表示させておくことが大事です。SNSであるが故にアフ
ィリエイトの登録ができないこともありますが、SNSであっても審査が通るところもあります。いろいろと調べておくの
が良いと思います。広告が入っているだけで、いざ案件が来たときにも安売りせずにしっかりと自分のSNSをアピールす
ることができるはずです。つい後回しにしてしまいがちですが、SNSをオープンさせたら真っ先に広告を表示させること
で将来の可能性を作っておきましょう。
4-4.アマゾンのレビューから収入を得る
レビュー記事をユーザーが読んで、そのリンクをたどってアマゾンで買い物をした場合、アマゾンから紹介料をもら
うことができます。SNS設定のところでアマゾンのIDを登録しておけば、アマゾンが自動的に集計してくれます。興味が
ある方は早めにアマゾンに登録して、管理画面からIDを入力しておきましょう。オープン前は、結構な収入が得られるの
ではと期待する方も多いですが、よっぽど特殊なSNSだったり、すごく会員数の多いSNSでない限りは、収入という収入に
はなりませんので、過度の期待は禁物です。規模が大きくなったときのための楽しみとしてとっておきましょう。もちろ
ん、早い段階で登録しておくのが一番良いとお思います。
4-5.Googleの記事連動広告を活用する
ここまで、簡単に想像できる収入源を紹介してきましたが、立ち上げ当初は正直言ってアテになる収入源とは言い難
いのが現状です。簡単にできて意外と一番成果が上がる方法が、GoogleAdsenseというサービスを活用する方法です。SNS
で話題になっている内容をページごとに判断して、広告枠に、ユーザーに有益な情報を自動的に選んでくれる便利なサー
ビスをGoogleが提供してくれています。どうやらこの方法が簡単に効果をを上げ易いようです。まず、GoogleAdsensに登
録をして、審査が通ったら、SNSの管理画面から、再度バナーのHTMLを作ってあげるだけで、簡単にSNSに反映することが
できます。HTMLの書き方はGoogleから指定された方法で行ってください。ちょっとした工夫ですが、成果が上がりやすい
のでぜひ試してみてください。月々のサーバー代くらいはここから捻出したいものです。
4-6.特集記事を広告にしてしまう
バーナー枠の広告はスペース的にも広告効果を得るためには、多くの会員数やアクセス数を必要とします。そこで、
広告主に人気の方法をひとつご紹介します。広告主にあわせた特集ページを作ってしまうのです。SNSの目立つところに
、特集コーナーを設置して、そこをクリックすると特集ページが表示されるようにしておくと良いと思います。特集記事
をつくっておいて、それに関連した情報として広告主の宣伝を入れておくと、通常のバナー広告よりも成果が上がります
。現に、私が運営するSNSでも、アルバイト特集ページを作り、その中に、アルバイトマッチングサイトとタイアップし
たアルバイト検索ボタンを用意したこともありました。また、スカイプの特集をしたページには、マイク内蔵のウェブカ
メラの紹介コーナーなども作りました。いずれも広告バナーよりは大きな成果を上げた例です。単純に広告枠を提供する
だけでなく、広告主への価値を作ってあげることも収入源を得るための方法といえるでしょう。
4-7.SNSならではのビジネスモデルを考える
広告だけにとらわれず、SNSを生かしたビジネスモデルを持っているSNSもあります。例えば、SNSをカスタマイズし
て、公認コミュニティというもう一つのコミュニティ機能をつけることで、課金しているSNSもあります。入会基準を作
り会員区別を設け、有料会員と無料会員を作ることも可能です。立ち上げるSNSの種類によりますが、サービスに直接課
金することで収入を得る可能性を考えてみるのも一つの手かもしれません。
4-6.長続きの秘訣は大事なのは大きな視野で収入をとらえること
長続きしているSNSを見ると、SNS単体で収益を上げているところはもちろんですが、SNS単体で収益が上がらないま
でも、運営者が提供している他のサービスに良い影響をもたらすので、費用を負担することが苦にならないケースを良く
目にします。SNSが生まれてまだ日が浅いですから、単体で稼ごうと思わず、運営者にとってどんなメリットがあるのか
、SNSから直接収入を得るのではなく、周辺のビジネスから収入を得ることができないか改めて考えてみてください。う
まくその仕組みを考えられることがSNSを長く運営する秘訣であることも覚えておきましょう。
4-7.いろいろなパートナーを見つけましょう
収入を得るためだけでなく、会員数やアクセス数を増やすために、いろいろなパートナーをみつけて置くのも良いで
しょう。あるSNSでは、お店の広告を無料で載せる代わりに、お店のお客さんをSNSに誘ってもらう方法をとったりしてい
ます。広告代をもらうのではなく、お客さんを巻き込んでもらうことを頑張ってもらおうというのです。お金以外でもお
互いのメリットを見つけてパートナーを作っておくことが、活性化のための大事な要素となるはずです。そして、その活
性化が最終的には、収入となって返ってくるはずです。根気のいる部分かもしれませんが、SNSの目的に立ち返り、実現
したい事柄を忘れないように収入とのバランスをしっかりと保っていってください。
5.SNSを効果的にアピールするためのひと工夫
立ち上げるSNSの種類にもよりますが、もっとも使ってもらいたい人がSNSに詳しいとは限りません。ひょっとしたら
、SNSという言葉すら知らない場合があります。そういった人にSNSを楽しんでもらうためには、どうやって伝えていった
らよいのでしょうか。紹介してから登録まで一筋縄ではいかない場合が良くあります。そんなときのためにも、SNSにつ
いて、効果的に説明できる様にしておきましょう。この章では、技術的なことにあまり明るくない人に説明するために効
果的だと思って私が使っている方法を紹介していきます。
5-1.「SNSとは何ですか」と聞かれたらなんと答えますか?
SNSを立ち上げて運営をはじめたあなたはつい、SNSとは「ソーシャルネットワーキングサー微志の略で…」とはじめ
、SNSの機能について全容を伝えてしまうことでしょう。「日記ができて、掲示板ができて、あしあとが残せて…」と。
しかしここで、あなたが回答する目的を考えてみてください。運営者であるあなたは、立ち上げたSNSに登録してもらい
たいわけです。そのための手段として前述の回答は、最大の効果をもたらすでしょうか。多くの場合、NOです。質問をし
てくれた人にSNSについて詳しい知識を提供するよりは、「まずはやってみてよ」と一言、いって亜が得られることの方
がよっぽど効果的なのです。ただ、全く説明せずに進めるわけにはいきません。そこで、私は、「自分で掲示板を簡単に
立ち上げることができる最近はやりのホームページです。ぜひ見てみてください。」とお伝えすることにしています。パ
ソコンに関する知識が少ない場合にはとても効果的な方法だと認識しています。
5-2. 興味を持ってくれた人に「登録」までたどり着いてもらう
興味を持ってもらって、いざやってもらおうとすると、次に立ちはだかるのは「登録」という壁です。インターネッ
トにちょっと不安を抱えている人にとって、「登録」という言葉は、とても抵抗がある言葉に感じてしまいます。そこで
、できるだけ「登録」という言葉を使わないように工夫すると良いかもしれません。私がSNSを紹介するときは、「まず
、あみっぴぃというホームページを見るための準備をしましょう。まず、名前を入力します…」と説明するようにしてい
ます。ちょっとしたこれだけの工夫で、無用の心配をさせずにすむのです。
5-3.招待するためのメールアドレスの聞きそびれを防ごう
運営するSNSに興味を持ってもらい、メールアドレスを聞こうとすると、相手の方から、「じゃあ返ったらアドレス
を送っておきますね」と言ってもらえることも多くなってくるでしょう。そのときに、「よかった。メールを待っていよ
う」と思って安心しないでください。多くの場合、家に帰るとメールを送ることをすっかり後回しにしてしまうのです。
その結果、メールを送ると言ったこと自体わすれてしまうことも少なくありません。そこで、興味を持ってもらったその
場所でメールアドレスを聞いておく必要があります。名刺を持っている場合は事は簡単に済むのですが、そうでない場合
も良くあります。そういうときのために、メールアドレスを書き込めるフライヤーを用意しておくのがよいと思います。
運営者が誘う場合は、熱意を持って誘うので必要ない場合が多いですが、ユーザーが増えてきてユーザー同士が誘うとき
にこれがあるだけで、招待状を送るところまでは、無事に事が進むようになります。せっかく興味を持ってもらったのに
招待状が遅れないなんて事にならないようにするための工夫です。
5-4.mixiとの違いは何かに答えられますか
OpenPNEでSNSを運営すると良く聞かれるのが、「mixiにコミュニティを作ったのとどう違うの?」ということです。
私は、自信を持って「同じです」と答えています。逆に「mixiと同じですごいでしょう」というくらいの気持ちです。み
なさんはどのように答えますか。mixiのコピーじゃないかという人の多くは、デザインや機能をみてそういっているので
す。ただ、あなたが、mixiではなく独自にsnsを作りたいと思ったからには違いは必ずあるはずです。現に、mixiをやっ
てない人があなたのSNSに集まってくるわけです。mixiを使っていたとしてもあなたのSNSの方を頻繁に使ってくれている
かもしれません。強いて質問に答えるならば、「違いはないけれども、使ってくれる人がいる」ということでしょうか。
それだけであなたのSNSの存在意義は十分にあると自信を持ってください。運営者としてはこの自信を持つことこそが、
これからSNSを伸ばしていく重要な要素となっていくはずです。
6.SNSを楽しむためのコツ7つのポイント
若者やパソコンを日頃使える人が中心的に使うSNSであれば問題ないのですが、最近では、様々な分野のSNSが多く立
ちち上がるようになってきました。あなたが立ち上げるSNSも例外ではないかもしれません。そういった場合、サイト運
営において気をつけておかなくてはいけないポイントがいくつかあります。そのひとつが、SNSを全く使ったことがない
人に対して、SNSが機能満載でいろんな事ができるよと伝えてしまわないようにするということです。知らない人にとっ
て過剰な情報は、「またにしよう」と思われかねません。では、SNSをこれから進める場合、初めての人に何を伝えると
良いのでしょうか。7つのポイントをご紹介します。これは、これからSNSを伝えていく人に教え方を教えるときに非常に
効果的な項目になっています。初めてSNSを触ったかたが負担なくSNSになじんでもらえるようにしましょう。
6-1.友達3人以上と始めよう!
SNSのコンセプトにもよると思いますが、始めたばかりの時にSNS上で出会うと言うことが難しい場合がほとんどだと
思います。1人で始めてしまうと、最新情報の内容が乏しかったりとなかなかSNSを楽しむことができません。そのため、
できるだけ3人の知り合いがいる状態をコーディネートしてあげるよう、あなたのSNSを宣伝してくれる人には伝えておく
様にしましょう。
6-2.見てるだけでOK。とにかくクリック!
SNSを説明するときに、つい、「情報発信ができるよ」とか、「日記が書けるよ」などとアピールしてしまうことが
あるかもしれません。しかし、「情報発信したい」と思っている人は、全体のごくわずかな割合の人です。「受け身」で
いることが心地よい人が大半ですので、「情報を発信して」と伝えるよりも「見ているだけでいいんだよ」と素直な使い
方をアピールしてあげると気軽にSNSを初めてもらえます。
6-3.迷ったら「ホーム」ボタン!
慣れていない人にとってSNSでクリックを続けることは迷路に迷い込んでしまうようなものです。特に年配の方だっ
たり、パソコンが苦手な人にとっては、クリックするたびに心配が積み重なっていくのです。迷ったときのことを強調し
て教えてあげておくことは、初めて使う人にとって安心につながるのです。
6-4.ランキングに注目してみよう!
mixiにはなくてOpenPNEには備わっているランキングの機能です。意外と最初の段階で見つけるのが難しいみたいな
ので教えてあげておきましょう。検索で探すよりは、ランキングで見つかった内容を見ているが気楽で楽しいと思います
。ログインしたものの見るところがないというのも初めてのユーザーの特徴です。最初のうちはランキングを見てもらっ
て、SNSの中を楽しんでもらいましょう。
6-5.他人のプロフィールがおもしろい!
意外と忘れがちなのが、他のユーザーのプロフィールです。日記などはリンクがついているので、しっかり読む場合
が多いのですが、ユーザーのプロフィールはついつい見逃しがちです。どんなパーソナリティの方がいるのかイメージも
わきますので、SNSで何をしたらよいか分からないという方にはおすすめしてあげて下さい。
6-6.メッセージはアドレス不要のメール機能
パソコンが苦手な人にとって、「SNSは便利みたいだけどそこまでできなくても良い」ツールと認識される場合が多
いです。そういう人は、メールアドレスを覚えたり入力したりすることを負担に思っている場合も多いので、「メッセー
ジはメールアドレス不要のメール機能だから活用できますよ」と教えてあげるだけでSNSに興味を示してくれます。顔写
真をちゃんと入れていると相手の顔を見ながらメッセージを作ることができるので、思いのこもった内容を相手に届ける
ことができるはずです。
6-7.次のステップは日記に「そうですね」コメントを!
SNSは発信が苦手な人でも慣れてくると、軽い気持ちで発信できるようになるツールでもあります。そこで、最後の
ポイントは、コメントを書いてみようという趣旨を伝えることです。とは言っても最初から自分の内容を書くのも気が引
けるでしょうし、相手の日記やトピックにコメントをしろと言われても、言葉なんて思いつかないと思う方がほとんどで
しょう。そこで、日記を読んで、「なるほど」と思うこともあると思います。「そうですね」というのは、思ったことを
そのまま書いてみてくださいということです。「そうですね」と書いてもらえるだけで、日記を書いた側もうれしいはず
なので、次回、自分が日記を書いたときもコメントを返してもらいやすくなることでしょう。
7.地域SNSを運営するということ
最近ではテーマ別のSNSに加えて、地域に特化したSNSが多く見られるようになってきました。現在、代償併せて300
以上の地域SNSがあると言われています。地域SNS全国フォーラムが定期的に開催されるほど注目されてきているSNSです
。その目的は様々で、地域の活性化、防犯情報の提供、災害時の活用、地域の文化情報などのためにあらゆるSNSが立ち
上がっています。自治体、官公庁、NPO法人、協議会、民間企業と様々な組織形態で運営されているのも特徴です。では
、地域SNSを運営するために意識すべき要素について触れていきます。
7-1.地域SNSで地域は活性化するのか
「地域を活性化させるために地域SNSを導入しようと考えています」というお話を耳にする機会が良くあります。正
直に言ってしまうと、活性化していない地域に導入してもその地域が活性化することはないと思います。あまり地域のコ
ミュニケーションが活発でない地域で導入すると逆に寂しさがインターネットを使って強調されてしまいます。そのため
、今度は、SNSをどうにか活性化させようと頑張ってしまうのです。これでは、地域だけでなくSNSまでも活性化しなくて
はならず本末転倒です。しかし、活性化している地域に導入することで、さらに活性化させるということが可能なのです
。まち作りにSNSを活用する場合はその特性をうまく生かした導入の時期や方法を十分に検討することで、非常に良い効
果を発揮するはずです。
7-2.「地域SNS=携帯電話」と心得よ 地域SNSに限ったことではありませんが、SNSはあくまでツールなのです。
運営しているとうち忘れてしまいがちですが、何を達成する目的で作ったのかを必ず振り返るようにしてください。地域
を活性化させるために立ち上げたのに、SNSを盛り上げることに苦心しているようでは、道具に使われていると言っても
過言ではないでしょう。よく、地域SNSを携帯電話に例えてお話しすることがあります。活性化していない地域を活性化
させるためにSNSを導入すると言うことは、友達がいなくて寂しい人が友達を増やそうと携帯電話を買うのと似ています
。携帯電話を買ったらどうなるでしょうか。友達がいないわけですからそんなことが起こるはずもありません。活性化し
ていない地域でも同じですよね。SNSを導入したからといって地域が盛り上がることはないのです。ただ、逆に、友達が
大勢いる人が携帯電話を買ったらどうでしょうか。電話が鳴りやまず、今以上に仲間との絆を深めそしてどんどん仲間が
増えていくと言うことは起こりえるはずです。盛り上がっている地域で地域SNSを導入するのも同様の成果を生み出す可
能性があるのです。 ここでお伝えしたいことは、地域SNSも携帯電話どうようツールであるということです。SNSを盛
り上げることを考えるより、盛り上がっている地域をいかにもっと盛り上げるかに使うことで最大の効果が得られるはず
です。
7-3.リアルを盛り上げるとSNSも盛り上がる
SNSが盛り上がらないとSNSにいろいろと工夫を凝らす運営者の方も多いと思います。しかし、地域SNSの場合は、盛
り上がっている地域を、さらに盛り上げるためのツールですので、リアルを盛り上げるだけで簡単にSNSがるのです。繰
り返しになりますが、SNSだけを盛り上げるという本末転倒に陥らないように注意してください。地域イベントが開催さ
れればその話で持ちきりになり、自ずとSNSのアクセス数は増えるのです。つまり、リアルであったこと時間的にも空間
的にも保管してくれるツールであることは間違いないのです。
7-4.「mixi疲れ」ならね「地域SNS疲れ」はあり得るか
地域SNSの特徴でもっとも特徴的なのが、日記やメッセージなどの返事の方法が何種類もあるということです。地域
SNS内の仲間である場合、翌日、道で出会う可能性を多分に秘めています。日記やコメントの返事をそのときにすること
もできます。mixiとちがってコメントに返事をもらえないことにやきもきすることなく、実際にあって話を聞いたり、街
の商店主から間接的に聞いたりと、ネット上の返事にこだわること必要がないというのも一つの大きな特徴になるのかも
しれません。
8.地域SNS「あみっぴぃ」の誕生秘話から活性化まで一挙大公開
私が運営する西千葉コミュニケーションサイト「あみっぴぃ」についてご紹介したいと思います。単純なご紹介とい
うよりも活性化のために工夫した点や、年配の方に使ってもらうための工夫をお伝えしていきますので、ご自身で運営す
るSNS運営のヒントにしてください。
8-1あみっぴぃ誕生前夜
あみっぴぃを運営するNPO法人TRYWARPでは、大学生がパソコンを教えることを通して、大学生と地域住民の世代を超
えた交流のきっかけ作りを目指しています。「まちで『こんにちは』と言える人を一人でも増やすきっかけを作ろう」を
合い言葉に、パソコンの苦手意識解消のプロジェクトに取り組んでいます。その名も「パソコンプレックス大作戦」。40
歳~70歳代の方でもこの時代になるまでパソコンを全く使う事のなかった方に大好評を頂いています。一番の人気講座は
、「超入門コース」といって、半年間全20回のコースを卒業すると、クリックすらできなかった方が、パソコンをだいた
い使えるようになるという画期的なコースなのです。
時は2005年。「こんにちは」を目指したパソコン教室の受講生と、先生である大学生の交流も活発になってきていま
した。受講生と大学生だけでなく、パソコン教室で初めて出会う受講生同士、受講後に通う近所の商店街の定食屋さんと
の交流がどんどん広がっていたのです。ただ、パソコンを使えるようになるというもっとも基本的なところにTRYWARPで
は問題を感じ始めていました。コース終了後は、確実にパソコンができるようになっているにもかかわらず、さらに半と
したって年賀状の時期になると、できなくなっている卒業生がちらほら見受けられたのです。一旦はできるようになった
ものの、しばらく使わないうちにすっかり使い方が頭か抜けてしまっていたのです。パソコンを覚えるには繰り返しが大
事。日々使い続けてこそ、スキルを維持できるのです。
そこで、どうにか日々使い続ける方法はないものかとTRYWARPでは考えたわけです。当時、mixiが流行り始めていた
ことと、受講生と大学生の交流が活発になり始めていたこともあって、コミュニケーションサイトを立ち上げることで、
日々パソコンを使うためのきっかけにしてもらおう、ということになったのです。当時はOpenPNEがまだ有名に名手いな
かったのでXOOPSというオープンソースでの立ち上げを検討し始めたのです。当時、想定していた名前は「あみっぴぃ」
ではなく「OASiS」。受講生のためのオアシスを作ろうと考えたわけです。
しばらく開発を続けた後に、OpenPNEとの出会いが訪れます。それと同時に、お世話になっていた商店街の会長さん
からmixiのようなサイトを街に作って欲しいという依頼を受けたのです。どうやら、ブログで街のイベント管理をするに
は限界で、これからはもっと街の人たちが自由に発信できるシステムが必要だとおっしゃるのです。この時点からかいは
つは加速し始めたのです。そう、「SNSを作りたい」から「SNSが必要だ」に変わったわけです。こうしてあみっぴぃは必
然性の中で誕生することになったわけです。ちなみに、「あみっぴぃ」の名前は、その商店街の娘さんが名付けた名前な
のです。
8-2.mixiを使わずに独自運営を選んだ理由
当時、個人情報保護が騒がれていた時代だったので、受講生に登録を勧めても全員が登録してくれなさそうだなと言
う懸念がまずありました。もう一つは、年配者がmixiをのぞいたときに若者ばかりなので絶対に違和感を感じるだろうと
いう直感でした。全員に安心して、そして快適に使ってもらうためには、独自運営の道しか考えられなかった気がしてい
ます。なによりも決断を助けてくれたのは、OpenPNEのインターフェイスでした。mixiとほとんど同じなので、ちょっと
詳しい人があみっぴぃのことを教えるのに教えやすいだろうなという判断もすることができたのです。
8-3.インターネット上の別世界を作ることをしないという決意
通常、文化というのは、大人社会に若者が合わせることで人類に継承されていきます。しかし、インターネットの世
界では、年長者がパソコンに詳しくないと言うこともあり、若者が作ったインターネット文化に大人が合わせるという特
異な傾向が起こっています。これは、社会にとっては良くない現象だと感じ、あみっぴぃはそうならないように、SNSと
いう新たなインターネット上の正解を作るのではなく、インターネット上の西千葉を作る事にしようと決意しました。
8-4.年配の方に親しんでもらうための運営面での工夫
大人社会をインターネット上に作り上げるためにあみっぴぃが試みたことは、プレオープン期間を設けるということ
です。そのプレオープン期間に決まりを作りました。それは、(1)学生の参加禁止(TRYWARPスタッフを除く)、(2)本名
と顔写真掲載の義務(守れない場合は退会してもらう)、(3)実際に存在しないコミュニティの立ち上げ禁止、(4)ネット
用語の使用禁止という4つの決まりでした。まずは、大人だけで社会を作ってもらい、その後公式オープン後に若者に入
ってもらおうと考えたのです。すでに出来上がっている文化なので、嫌なら若者の方があみっぴぃを選ばないだろうと踏
んだわけです。そのため、あみっぴぃは大学生のことよりも年配者のことばかりを考えた作りになっているのです。
少しだけ細くしておきます。(3)の実際に存在しないコミュニティとは、血液型のコミュニティ等々です。年配者に
とって、コミュニティとは公民館などに実在するコミュニティのことであり、SNSのコミュニティ機能を応用して作った
ようなバーチャル上のコミュニティには違和感を感じること防ぎました。(4)のネット用語も意味が全く伝わらないので
、違和感をできるだけ減らそうと試みた証です。例えば、「トピをたてる」「レス」などの用語を厳しく取り締まったの
です。
これが功を奏して、あみっぴぃは健全にオープンを迎えることができました。2006年1月10日のプレオープンから
2006年2月1日に40人の会員でスタートしたのです。それから1週間で待ちわびていた大学生も多く参加をはじめ、100人を
超えたのを記憶しています。そして、2月8日には、日本経済新聞にて、「交流ネット地域限定。千葉大生NPOが開設。
商店街活性化に一役」 と取り上げられ、2月14日には、日経産業新聞にて、「千葉大生が運営のNPO 地域限定SNS
開設 商店街活性化にも活用」 と取り上げられたのです。
8-5.プレスリリースを作ろう
次に掲載されたのが、あみっぴぃの会員数が650人を超した2006年5月30日の事でした。これは、朝日新聞にて、「『
西千葉』サイトで交流・千葉大生ら開設、商店・住民も活用」と報じられ、オープンしただけでなく活用去れ始めている
と言うことが世間にアピールされたのです。このころになってくると、各新聞社の記者さんもあみっぴぃを始めて下さり
、プレスリリースを作る手間がだいぶ省けたのは新鮮でした。
そして、あみっぴぃが手がけた西千葉のリアルイベント「西千葉のアイドル祭り」の記事が、2007年6月10日の日本
経済新聞と6月25日の朝日新聞に、それぞれ、「ユニーク企画で街おこし・NPOや商店街連携」、「音楽で世代を超え
た交流を・西千葉のアイドル祭り・地元の歌手、商店主、主婦らも参加」と題して報じられたのです。
このように、運営において、折に触れて新聞に取材してもらえる体制を作っておくことも広報活動としてはとても大
事なことと言えます。新聞の取材を受けるために、プレスリリースを書いて新聞社に持って行くことから始めます。記者
の目にとまるともしかしたら取材をしてもらえるかもしれないので、インパクトのあるプレスリリースをつくる事をおす
すめします。詳しい作り方は書店にプレスリリースを作るための書籍がたくさん並んでいるので参考にしてみると良いで
しょう。最近では、プレスリリースを配信してくれるサイトもありますので、いろいろ調べてみて下さい。
8-6.地図や地域通貨のシステムと連携させる試み
自分の街を好きになるために自分の街を知るためのツールとして、千葉県に応募した「アイラブ西千葉プロジェクト
」において、あみっぴぃに西千葉のお店を地図にプロットする事業を、提案元の有限会社アミーゴジャパンより委託を受
けて手がけました。市民の手で、商店を一店舗ずつ周りお店情報をあみっぴぃに載せていくという地道な作業で950件近
い情報を掲載することができたのです。あみっぴぃのユーザーが実際に自分で情報を調べることで、つかっているSNSに
愛着を持つことにもつながったイベントでした。
このことは、2006年9月28日に日本経済新聞が、「観光地・西千葉に来て」と報じています。そして、2007年元旦に
は、朝日新聞千葉版の特集記事となり2面見開きで「変わる街のきずな・心伝えて客が仲間に」というタイトルで報じら
れたのです。4日後の日経流通新聞では、「現金が消える日、人や商店に連帯感、千葉SNSと連携」と題して、地域通貨ピ
ーナツとの連携体制についても掲載されました。いまでは、あみっぴぃじょうで地域通貨ピーナツの決済ができるように
なっています。
8-7.活性化大作戦は非常に効果的
あみっぴぃでは日頃の運営業務ではカバーできない部分を、定期的に活性化大作戦というプロジェクトを組んで補って
います。例えば、自己目標を決めて1ヶ月限定で日記のノルマを作ることで、波及効果を期待したり。自分の友達にまだ
一度も招待したことがない人がいたら、とりあえず招待状を送ってみるという企画を達成目標をきめて毎日進捗管理をし
ながら確実に達成できるようにしたりしています。同様に、日記の数だったり、マイアーミーゴ(=マイフレンド)の数
だったり、定期的にやってみると意外と直接的な効果以外にも、それを見ている人たちの活性化が期待できることが分か
ってきました。運営者のエネルギーというのはどこかで伝わっていくものなのです。その成果もあり、2007年11月23日に
は朝日新聞が、「地域内ネットで交流 関係強化、新たな出会いも」と全国版で報じています。
8-8.年配の方に見やすいデザインの工夫
パソコンに詳しくない人でも使いやすいように、大きなボタン、インパクトのある色遣い、一目で分かるアイコンの配
置をデザインリニューアルの主軸におきました。【図】
8-9.年配の方が使いやすいインターフェイスの工夫
ユーザインターフェイスをATMを意識した作りに仕上げまいした。通常のボタン表記を全て見直したのと同時に、ボタ
ンを押すことでどうなるかわかりやすいように、ボタンの前にすべて説明文を付与しています。ボタン表記を検討する際
には、できるだけボタン名を「動詞」にすることや、最後のボタンでない限りは「次へ」というの誘導を多く用いました
。これ以外にも様々な工夫を「あみっぴぃ会談」という会議を毎週1回3ヶ月間にわたり行ったのです。【図】お楽しみページも図】
8-10.年配の人が直感でできるようになるためのボタン配置
前述したとおり、分かっている人がSNSを教えるとついついよけいな情報までを伝えてしまいます。それは、親切心
からそうしているので仕方のないことです。確実に、ひとりでできるようになってもらう教え方ができるように工夫を入
れてみました。ボタンの順序を並び替えて「左から順にやっていけばできるようになりますよ」と伝えればいいようにし
たのです。そうすることで、教える人は次の一歩だけを教えてあげて、後は余裕があったらやって下さいと言えるのです
。習った側は最小限の情報だけを理解しますから、帰宅したらやってみようという感覚を作れますし、余裕があったら次
に進んでみようという気持ちにもなってしまうのです。【図】
こんなカスタマイズを運営してみました!
あみっぴぃデータ 松尾貴臣日記 カレンダー ライブカメラ 地域通貨 西千葉探検マップ
9.最後に
運営に関して、楽しいことだけでなく、厳しいことも少し書いてみました。これは、最初から想定しているかしていないかで後々の活性度に大きな影響があるからです。ここに書いてきたことは、オープン前に読み直してイメージだけでも作っておくようにしましょう。
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